呼吸器内科
診療の特徴
呼吸器内科の扱う疾患は感染症・悪性腫瘍・間質性肺炎・気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患と多岐にわたるため、内科の中でも総合的なバランスのとれた知識・医療が必要とされる分野です。
当科では
① 内科医、さらにはひとりの医師・人間として患者の悩みに向き合うこと
② 迅速・正確・無駄のない検査を行うこと
③ 患者ひとりひとりにあった治療を行うこと
をモットーに日々診療しています。
診療内容
感染症 (肺炎、肺結核 (排菌例は除く)、肺真菌症)
肺炎は日本において死亡原因の第3位であり今後も増加していくことが予想されます。当院は救命救急センターが併設されていることより急性期疾患が多く、肺炎による入院患者数は年間300名を超え重症例も積極的に受け入れを行っています。血液検査や画像検査 (レントゲン、CT写真) だけでなく、感染症治療の基本である喀痰グラム染色による原因菌の同定を心がけ、適切な治療を行えるよう努力しています。肺癌
肺癌が疑われた場合、可能なかぎり迅速に気管支鏡検査などによる診断を行い、治療できるようこころがけています。当科では外科で手術が終わったのちの術後化学療法、進行例に対する化学療法、痛みなどの症状に対する緩和治療を主に行っています。また放射線照射が必要な場合は放射線科に紹介し放射線治療を行っています。肺癌における化学療法はガイドラインに準じた最新の治療が可能であり、ひとりひとりの病状・ライフスタイルに合った治療を行うよう心がけています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)
タバコ煙の吸入によって起こる肺の炎症性疾患です。当科では主に息切れなどの悪化時 (急性増悪) に対応しています。薬物治療のみでは治療困難な場合、救命センターとの連携を行い非侵襲的陽圧換気療法などの人工呼吸管理を行っています。また状態が安定した後は禁煙、予防接種を推進し増悪予防に努めています。気管支喘息
発作的な咳、喘鳴、呼吸困難を起こす病気であり、当科では主に発作時の対応を行っています。また外来治療においては喘息日誌、ピークフローメーター、吸入指導を行い発作予防に努めています。症状のコントロールが行えない場合は抗IgE抗体 (オマリズマブ) の使用も可能です。びまん性肺疾患
間質性肺炎に代表される、肺に異常な影が広がっている病気で、原因は多岐にわたります。当科では迅速な気管支鏡検査による診断はもちろんのこと、医療の基本である十分な問診を大事にしています。気管支鏡検査で診断が行えない場合は外科に紹介し外科的肺生検を実施しています。また膠原病関連疾患であった場合は膠原病内科医との連携を行い免疫抑制剤、ステロイドなどによる治療を行っています。睡眠時無呼吸症候群
日中の眠気、いびきを症状とする病気でポリソムノグラフィーによる診断を行っています。病状によっては鼻マスクによる人工呼吸 (CPAP)を行っています。当科で行える検査、治療
気管支鏡検査
大きな合併症のない場合、ほぼ全例鎮静薬を使用することによって苦痛を与えないよう行っています。原則1泊の入院で検査を行っています。 悪性腫瘍に対する経気管支肺生検 (TBLB)、びまん性肺疾患に対する気管支肺胞洗浄 (BAL)、異物除去など。局所麻酔下胸腔鏡
当科では2012年より原因不明の胸水に対する局所麻酔下胸腔鏡検査を導入しました。全身麻酔を行わないため患者の負担が少なく、胸膜の生検・胸腔の観察が行えることにより、胸水貯留例に対して正確な診断が可能になりました。肺癌に対する化学療法
現在、有効性が証明されている治療 (標準治療) は全て行うことができます。睡眠時ポリソムノグラフィー
患者さんへメッセージ
① 咳が止まらない
② 息切れが気になる
③ 熱がいつまでも下がらない
④ タバコをやめたい
このような症状、希望がある方は呼吸器内科の受診をすすめます。わかりやすい説明、何でもききやすい雰囲気づくりを心がけています。
呼吸器の病気は、難しい病気が多いですが上手に付き合うことができます。私たちはそのお手伝いができればと思っています。
また、身体の心配があれば可能な限り解決できるよう協力したいと思います。