ウロギネコロジーセンター
ウロギネコロジーとは
ウロギネコロジーとは「ウロロジー:urology 泌尿器科、ギネコロジー:gynecology 産婦人科」という言葉が合わさった造語です。
当科では、その名の通り泌尿器科医と産婦人科医が一つのチームとなって、お互いの領域の中間にある疾患(骨盤臓器脱、尿失禁、頻尿等)の専門的な治療を行っています。
対象となる疾患の主な治療法
骨盤臓器脱
子宮、膀胱、直腸などの骨盤内にある臓器が膣壁を押し下げて体外まで下垂してくる病気の総称です。
膣からピンポン玉のような丸いものが触れるといった症状をはじめ、頻尿、排尿困難、尿もれ、排便困難など下がっている部位や程度で様々な症状が現れます。
治療は手術による治療になります。
当院で主に行っている治療はメッシュによる補強を行うものです。方法は2つあり、腹腔鏡手術(腹腔鏡下仙骨膣固定術)と経腟手術(TVM手術)です。どちらも低侵襲で高い治療効果を望める手術で、1週間程度の入院で行っています。いずれも保険適応の手術であり、当科ではこれらの手術をこれまで数多く施行してきております。
下垂している部位や程度はもちろん、患者さんの年齢、全身状態、生活スタイルなどを考慮し、どのような治療法が適しているかをご提案しています。お気軽にご相談ください。
※当院は、女性骨盤底医学会の認可を受けた医療機関です。
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「2014年7月24日 読売新聞より抜粋」
尿失禁
女性の尿失禁の主なものには、急にトイレに行きたくなってこらえられずに漏れてしまう「切迫性尿失禁」と咳やくしゃみをした時などお腹に力が入ったときに漏れてしまう「腹圧性尿失禁」があります。
実際にはこれらの両方が重なった混合性尿失禁の方が多くおられます。
当科ではこれらの尿失禁のタイプをしっかり診断し、治療に結び付けております。
特に女性に多い腹圧性尿失禁は、細いテープ状のメッシュを用いて尿道を支える尿道スリング手術(TVT手術・TOT手術)も行っております。短時間で終わる手術で、3-4日程度の入院で行っております。
薬の効かない頻尿
トイレが近い(頻尿)、急に我慢できないような尿意が起こる(尿意切迫感)といった症状は「過活動膀胱」といわれ、患者は日本で800万人といわれ、40歳代で増え始めて高齢になるほど増加し、80歳以上では4割以上が罹患しているといわれています。多くの場合は過活動膀胱治療薬の内服で症状が改善しますが、内服でも改善しない、または副作用などにより内服継続が困難となった「難治性過活動膀胱」の治療も当院では行っております。
近年保険適応となったボトックス膀胱内注射、仙骨神経刺激療法も当科で施行しておりますので、治療に難渋していらっしゃる方がおられましたらご相談下さい。
また、このような症状には「間質性膀胱炎」が隠れていることがあります。検尿で異常がないのに、膀胱炎のような症状(頻尿、排尿痛、下腹部の違和感など)が続く場合間質性膀胱炎が疑われます。
間質性膀胱炎が疑われた場合は診断と治療を兼ねて膀胱水圧拡張術(膀胱内の中へ生理食塩水を注入して拡張する手術)を行います。間質性膀胱炎の患者さんでは、散在性の点状出血や粘膜の発赤(ハンナ病変)が認められます。このような所見が見られれば、診断が確定し、水圧拡張により症状改善が望めます。ハンナ病変が認められる場合は、多くは下腹部の痛みなど強い症状が出現しますが、その部位を電気焼灼することで症状が改善します。
点状出血
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スタッフ紹介
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医師名 | 新井 隆司 |
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役職 | ウロギネセンター長 泌尿器科部長 |
資格 | 日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、指導医 日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医 日本内視鏡外科学会泌尿器腹腔鏡技術認定医 |
卒業年 | H11卒 |
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医師名 | 藤本 英典 |
役職 | 産婦人科部長 |
資格 | 日本産科婦人科学会産婦人科専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
卒業年 | H7卒 |
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医師名 | 小田 瑞 | 資格 | 日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、指導医 |
卒業年 | H15卒 | ![]() |
医師名 | 野中 宏亮 |
役職 | 産婦人科副部長 | 資格 | 日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本内科学会認定内科医 |
卒業年 | H10卒 |