北九州湯川病院について
薬剤科
R3年3月7日に新病院に移転し、薬剤科も以前に比べ倍以上広くなり、新たな業務も始めました。
クリーンルームを設置し、高カロリー輸液がより安全かつ衛生的に投与できるように平日のみ調整を行っています。
病棟では注射カートの運用が始まり、薬剤科で翌日分の注射を、カートの引き出しに個人別・施用ごとにセットし、病棟に払い出しています。6病棟分作るため、慣れない作業に戸惑い時間がかかることもありましたが、今では効率よく行えるようになってきました。
また、調剤業務はもちろんのこと、薬剤管理指導などの病棟での業務も力を入れています。
当院は急性期病院に比べ、長期間入院する患者様が多く、長く携わることが出来ます。患者様の現状にあった薬物療法が提供出来るよう、多職種と協働しながら積極的に関わっています。
退院時には、お薬手帳に入院中の薬に関する情報を記載するとともに、ご本人またはご家族の了承を得た上で、退院後の主治医と担当調剤薬局(かかりつけ薬局)宛に、退院時薬剤情報提供書を作成しています。退院後に患者様が関わる医療機関と、入院中の薬物に関する情報を共有することで、患者様にとってより良い薬物療法が継続できるよう支援していきたいと思っています。
薬剤科トピック
2024/06/03
第38回薬剤部会研究発表会を開催しました!!
2024年5月18日 北九州病院グループ薬剤部会研究発表会が開催されました。
昨年に引き続き集合研修ではなく、ZOOMを用いたWeb研修会でした。
発表者の声2024年5月18日に北九州病院グループ薬剤部研究発表会がZOOM形式で開催され、
「持参薬鑑別から見えてきた当薬剤科の現状」について発表しました。
当院は2024年5月13日より電子カルテ導入を開始しました。今回の発表でこれまでの持参薬業務について現状を把握し問題点を再認識することができました。これから様々な事象が生じると予想されますが、他部署との連携を円滑にして業務改善に努めていきたいと思います。
また、全グループ病院参加で各病院の内情や活動などを把握できた有意義な研究発表会になったと思います。
参加者の声グループ病院外からの転職であったため、今年初めて参加させていただきました。まず驚いたのはこの研究発表会が38回であり、北九州病院グループに勤務する薬剤師の向上心の高さを感じました。報告はグループ病院すべての病院から9演題が出されており、症例報告をはじめ各病院の薬剤部やチームでの取り組みの紹介とその成果への評価が報告されていました。症例報告はどの病院でも遭遇する可能性がある報告であり、取り組みの紹介は自施設での振り返りにもつながるものであったので、どの報告も参考になるものでした。
コロナ禍の影響でオンライン開催であったため、質疑応答は限られた時間になってしまっていましたが質疑も積極的に行われており、その内容も参考になるものでした。しかし、現地開催であればできた質問が私自身もあったので、グループ内の薬剤師の交流も含めて、今後は可能な限り現地での開催を期待したいと感じました。
2023/06/16
第37回薬剤部会研究発表会を開催しました!!
2023年5月27日 北九州病院グループ薬剤部会研究発表会が開催されました。
昨年に引き続き集合研修ではなく、ZOOMを用いたWeb研修会でした。
発表者の声北九州病院薬剤部研究会が例年より1か月早く、2023年5月27日に開催されました。
当院からは、「NST介入により重症褥瘡が改善した糖尿病患者の一例」という題で発表させていただきました。
昨年と同様ZOOMで院内から発表したため、目の前に大勢の人がいるという状況ではありませんでしたが、やはり大変緊張しました。
題材を選ぶのにも大変苦労しましたが、NST委員会委員長でもある副院長の飯田先生を始め、いろいろな方のご協力があって何とか発表にこぎつけることが出来ました。
褥瘡の治癒過程を多方面から検証し、どこがどのように重要であったかを確認できたことは、個人的にもNSTの観点からも大変有用でした。
今後もこの経験を次に活かしてまた他の職員とも共有して行きたいと思います。
参加者の声5月27日に北九州グルーブ薬剤部研究会が開催され、今回は9病院の発表がありました。
その中で2題興味深い発表がありました。
1題は北九州古賀病院の「薬剤師が介入した減薬への取り組み」では減薬に対して薬剤師が積極的に活動しており、その結果として有用性も示されていることが印象的でした。
もう1題は、北九州中央病院の「病棟看護師と取り組む医薬品安全」に関しては徐放性薬剤が誤って粉砕される事を回避するための取り組みを発表されており、当院でも経管投与の患者が多く、起こり得る可能性のある事例であったことから、とても興味深い内容でした。
急性期・慢性期病院の薬剤科の取り組みが、年に1回このような情報共有・討論の機会があることで、良い刺激になったと思います。
2023/02/17
新しい仲間が増えました☆
令和5年2月に北九州総合病院から異動となりました。
急性期病院とは、また違った視点も必要となってくるため、慣れるまでに時間がかかると思いますが、頑張っていきたいと思います。(Oさん)
2022/07/15
第36回薬剤部会研究発表会を開催しました!!
2022年6月25日 北九州病院グループ薬剤部会研究発表会が開催されました。
昨年に引き続き集合研修ではなく、ZOOMを用いたWeb研修会でした。
発表者の声2021年3月より開始した注射カート運用についてオンライン発表しました。注射カートは6病棟全てに両面引き出し付のカートを採用し、調剤、鑑査面での利点や搬送時間、病棟での使用状況などの問題点について評価を行いました。導入後一年経過して大きな業務変更なく運用が行えており、当院の調剤方法や運用面での特徴について写真を多用し詳しく説明しました。北九州病院グループ内で注射薬の運用方法は各病院によって様々であり、他病院の先生方と情報共有の良い機会となりました。また、これから注射カートを導入する病院もあり、今回の当院の発表が参考になればと思います。
参加者の声今回は、9施設の発表がありました。その中でも宗像中央病院の「薬剤のアレルギー・副作用の情報管理の取り組み」については、当院で改善していきたい業務でありとても参考になりました。また、総合病院の「COVID-19治療薬に対する薬剤師の関わり」については、当院では関わることが少ない業務でありとても興味深い発表でした。コロナ禍で他のグループ病院との交流がなく、情報交換をすることが以前と比べ少なくなっていましたが、他施設の様々な取り組みがわかり刺激となりとても有意義な研修会となりました。今回研修で学んだ事を今後の業務に生かしていきたいと思います。
過去のトピックはこちらから
業務紹介
内服・外用調剤
薬の量や使い方が間違っていないかはもちろん、患者さんごとに薬の服用歴を管理し、効果の重複や飲み合わせが悪くないかなども確認して調剤を行っています。入院患者さんの薬は、1回に飲む分を機械でひとまとめにして、飲みやすく管理しやすい状態にしています。また、口から薬を飲むことが難しい患者さんには、症状に合わせた剤形に変更して服用していただいています。
注射薬調剤
注射薬は内服薬より効果が早く出やすい反面、副作用も出やすいことがあります。また、注射薬の組み合わせが悪く効果が弱まったりすることがあります。そのため、使用方法や薬の量などが間違っていないか、より慎重にチェックし、調剤していきます。食事が取れない人は、高カロリーの輸液で栄養を補給します。2種類以上の薬を混ぜる場合は薬剤科で混合しています。
持参薬管理業務
患者さんが持参したお薬の内容の確認を薬剤科で行っています。薬の種類や服用方法などの情報を正確に把握し、薬の内容を整理して飲みやすく管理しやすい状態にしています。また、当院の薬にスムーズに移行できるよう、医師と協同して処方設計しています。
薬剤管理指導
薬剤師が患者さんのベッドサイドにうかがい、現在服用している薬の内容や、使用方法などの説明、副作用の有無や薬の効果の確認などをしています。また、主治医や看護師などと協力しながら、薬に関する様々な問題に個別に対応しています。
TDM(Therapeutic drug monitoring 治療薬物モニタリング)
種類によっては治療範囲から外れてしまうと効果がなかったり、副作用が出やすくなってしまいます。そこで、血液検査によって血液の中のお薬の量を調べ、その結果をもとに患者さん一人ひとりに合うよう医師と協同してお薬の量を調整しています。
ジェネリック医薬品
患者さんの医療費負担を軽減するために、積極的にジェネリック医薬品を採用しています。
専門・認定薬剤師取得状況(2023年1月末現在、重複者含む)
✿当院は、専門・認定薬剤師資格取得に積極的に取り組んでいます✿
日本糖尿病療養指導士 |
3名 |
日病薬病院薬学認定薬剤師 |
2名 |
日本病院薬剤師会 認定指導薬剤師 |
1名 |
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師 |
1名 |
福岡県糖尿病療養指導士 |
2名 |
研修生の受け入れ ※現在休止中
H29年4月より、研修のために、同法人の急性期病院である北九州総合病院から3年目の薬剤師を3か月ごとに、受け入れています。
チーム医療への参画
医療安全管理委員会・医薬品安全管理室、医療安全ラウンド
医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務員らで構成された医療安全管理チームで、病院で起こるインシデントやアクシデントの事例を検証し、同じような間違いを起こさないように、また医療事故を未然に防ぐための対策を立てたり手順を見直したりしています。
転倒転落を起こさない、薬を間違って飲ませないなども医療安全の範疇となります。薬剤師は、医薬品安全管理者として、薬の安全管理のための情報収集や手順書を作成し、手順書に基づいた安全使用がされるように、職員に薬の効能効果や使用方法、管理方法などを理解してもらうための研修会を開いています。
院内感染対策チーム(ICT:Infection Control Team))
医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師などさまざまな職種が集まり、感染対策活動を行っています。耐性菌の検出状況や抗生剤の使用状況を把握しています。また、週1回病院内を巡視し環境の整備や職員の手指衛生・清潔操作の手順を確認し、指導、助言等を行い、院内感染が発生しないよう取り組んでいます。
栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team))
医師、管理栄養士、看護師などと一緒に週1回の回診を行っています。事前に患者さんの栄養に関わる薬の情報を把握し、注射薬や内服薬など薬を通して栄養管理に携わっています。