北九州湯川病院について
研修生の声
H29年4月より、研修のために、同法人の急性期病院である北九州総合病院から3年目の薬剤師を3か月ごとに、受け入れています。短い期間ですが、療養型病院の特徴や急性期病院との違いなどを出来るだけ経験し、吸収して帰ってもらえるよう私たちもサポートしています。
療養型病院は初めての経験で、戸惑うことも多いようですが、みなさん一生懸命頑張っています。
平成30年4月~平成30年12月までの研修生
H30年9月17日~12月14日:Oさん
湯川病院での療養型病院研修で、急性期病院で学ぶことが出来なかった多くのことを経験し、特にチーム医療の大切さについて実感することができました。湯川病院では電子カルテを使用しておらず、紙カルテで患者さん1人1人の情報を全職種で管理しています。紙カルテは電子カルテに比べて不便である印象がありますが、部門別で明確に管理されており、必要な情報は的確に得ることができます。また、電子カルテでは開かなかった他部門の情報も、ページをめくることにより知ることができ、より広い視野で患者さんについて理解し、使用薬の適正化や患者さんのQOLの向上に繋げることができました。また、入退院時のカンファレンスに参加し、患者さんの家族や施設また他職種とコミュニケーションをとることにより、患者さんの悩みや家族の希望等に対しチーム一丸となってサポートすることができました。
慢性期病院に入院されている患者さんは、急性期に比べ長期で入院されます。長期間患者さんと接する事により、薬剤の効果判定・副作用モニタリングを行い、リスク回避や必要度について考え、追加処方、薬剤中止の提案を行うことができました。コミュニケーションが取りにくい方や、認知機能が低下している方も多く入院されており、そういった患者さんの薬剤管理指導や関わり方についても教わる事ができました。
患者さんの退院時には薬剤情報提供書を作成し、入院から退院までの患者さんの治療経過を明確に記載し、かかりつけ病院や施設、調剤薬局等に情報提供を行いました。患者さんが次の病院・施設でより良い薬物療法を受けられるように、患者さんの情報を次に申し送ることはとても重要であると実感しました。
H30年7月2日~9月28日:Nさん
北九州総合病院では中央業務(調剤、薬歴チェック、院外処方せんの問い合わせ、医薬品の発注等)を中心に行っていましたが、今回の研修では多くの業務を経験させて頂くことができました。慢性期医療では長期入院の患者さんが多いため、薬剤師として薬物治療に関われる機会が多くありました。例えば病棟業務では、ポリファーマシーに対する取り組みとして、処方内容を見直す際には、患者さんの状態や状況に合わせて薬の減量や中止を考え、また患者さんと面談する中で薬剤が必要と思われれば追加を提案することもありました。入退院時には、患者さんやその家族だけでなく他職種の方々ともコミュニケーションをとることのできるカンファレンスに参加させて頂きました。さらにNSTやICTのラウンドに参加することで薬剤以外に対する知識も深めることができました。今回の研修で学んだことを活かし、急性期病院でも患者さんの治療に貢献したいと思います。
H30年4月16日~7月13日:Aさん
研修では、調剤を含む中央業務の他、病棟業務や栄養サポートチームについて経験しました。療養系病院では、入院患者さんを主に自宅や施設への退院を目標としています。そのため、退院後のことも考えて患者さんやご家族が管理しやすいように薬剤の指導をしなければいけません。入院時と退院前のカンファレンスに参加することで、患者さんやご家族の希望を聞き、治療方針を共有することで、患者さん中心のチーム医療を実感できました。
短期間で慣れないことも多く、カルテだけでは分からないこともありました。その時、患者さんの各他職種担当者から直接情報を得ることで、より患者さんに寄り添ったサポートを行うことができました。患者さんとはもちろん、医師や看護師、他職種、薬剤師同士のコミュニケーションも重要であると再認識しました。
今後、急性期病院である北九州総合病院に戻り、北九州湯川病院で学び、経験したことを業務に取り入れていこうと思います。
平成29年4月~平成30年4月までの研修生
研修では、電子カルテを導入していない場合の業務方法に慣れるまで、戸惑うことが多々ありました。しかし、薬歴管理の方法が工夫されていて興味深かったです。
病棟業務に関して、総合病院では、在院日数が短いため患者さんとの関わりが少ないのが気になっていました。湯川病院では、患者さんと長期間接することで、症状の変化や入院前後の生活、ご家族との関わりなどをゆっくりと聴かせていただくことができました。また、患者さんの入院後と退院前に行われる総合カンファレンスに参加し、ご家族と多職種の方々が一同に会して経過や目標を共有するチーム医療の様子を見ることが出来ました。その中でも、今まであまり関係の無かった言語聴覚士やソーシャルワーカーの方の話が印象に残っています。このことにより、患者さんの退院後の生活を想像しやすくなり、入院中と同じように薬を服用できるか?必要か?等を以前より考えることができるようになりました。
湯川病院では急性期病院から転院してこられた患者さんも多かったため、転院後の患者さんの動向を垣間見れたことも貴重な経験です。今回の経験を、チーム医療、工夫を凝らした日常業務・業務改善に役立てたいと思います。
北九州総合病院薬剤科の教育プログラムの一環として、慢性期病院で3ヶ月の研修があります。この度、グループ病院の北九州湯川病院で研修を受けました。
北九州総合病院は電子カルテを導入していますが、北九州湯川病院は電子カルテが導入されていないので、紙カルテ、手書き処方箋、手書き薬袋、印刷された定期処方箋等の運用になります。電子カルテ、オーダリングシステムが導入されていないなかで、定期処方の運用方法、全自動分包機を利用した薬歴管理など医療安全を担保するための工夫がされていました。
薬剤管理指導業務では、急性期病院は在院日数が短く患者さんとの関わりは多く取れませんが、慢性期病院では数ヶ月の在院期間があるため患者さんとの関わりが長い期間となります。また、ご高齢で様々な疾患の患者さんが多く、急性期と違った薬学的アプローチ、接し方、コミュニケーションの取り方を教えていただき貴重な体験となりました。
慢性期病院では、患者さん又は患者さんご家族、医師、看護師、ケアマネージャー、薬剤師、管理栄養士、リハビリの先生方が集まり、定期的にカンファレンスが開催されます。カンファレンスでは、主治医から患者さんの状態や治療方針について直接説明があり、各職種からの介入状況などを聞くことができます。更に、患者さん又は患者さんご家族からも直接話しを聴ける貴重な機会です。急性期病院にないカンファレンスは、チームの一員としてどのように関わっていけばよいか大変参考になりました。また、他職種とのコミュニケーションの重要性も大きく感じました。
今回の研修で特に思うことは、電子カルテがなくても工夫次第で代償できるものがあるということです。そして、チーム医療、他職種連携が慢性期病院で経験できたことは、大変良かったと思います。最後に、研修で得た経験、知識、工夫を基に今後の業務に生かせていきます。
二年間、北九州総合病院にて急性期医療の現場で薬剤師として働き、三年目の夏に湯川病院で三ヶ月間の研修をする機会を頂くことができました。
湯川病院では多くの経験をさせて頂きました。特に慢性期医療での病棟における薬剤師業務はとても勉強になりました。急性期の現場では入院期間も短く、長期に渡る患者さんへの介入が困難です。しかし慢性期病院では長期間の入院患者さんが多く、その間に薬剤師がおこなえる業務が多くあることを実感しました。例えば薬剤の減量もそのうちの一つです。実際に湯川病院の研修中に薬剤の中止を医師へ相談、中止するといった機会を得ることができました。その患者さんに必要な薬剤であるのかどうかという考え方を学ぶことが出来たのではないかと思います。
総合病院との大きな違いである慢性期医療の現場を経験できたことを今後の薬剤師としての業務に生かしていきたいと思います。
ほとんど経験したことのなかった病棟業務やラウンドに参加させてもらいました。患者さんに寄り添うことが大切であると頭ではわかっていましたが、いざ目の前で触れ合うとその難しさを肌で感じました。
入院時と退院前のカンファレンスに参加し、患者さん・患者さん家族の希望を聞くことができました。それを踏まえた上で、治療方針を明確にし、それに向かってスタッフ全員が患者さんをサポートできる環境になっていました。また、持参薬鑑別では、医師に直接薬剤変更や用法・用量等の提案を行う責任感のある仕事でやりがいがありました。
他職種との距離が近く、いろいろな視点で勉強できたことが有意義でした。
湯川病院で経験した様々なことを今後の業務で活かしていければと思います。